皆さんはどのような通貨ペアを取引されていますか?
その通貨ペアを取引する明確な理由はありますでしょうか?
今回は初心者におすすめの通貨ペアとしてよく紹介されるドル円について
どのような市場なのか、取引量はどれ程なのか、なぜ初心者におすすめなのかについて
解説していきます。
ニューヨーク市場
外国為替市場は、「場所+市場」の名称で呼ばれています。
たとえば、東京市場というのは日本時間午前9:00-午後4:00位、
ニューヨーク市場は日本時間午後9:00-翌日午前6:00位までをいいます。
外国為替市場のスタートと終わりは、ニューヨーク時間(米国東部時間)が起点になります。
スタートは日本時間で午前6:00(夏時間)、終わりは日本時間の午前5:59(夏時間)
となります。なおニューヨーク時間の終わりをニューヨーク・クローズ(NYクローズ)といい、
このニューヨーククローズでその日の外国為替市場が終わり、
日付がかわります。このように外国為替市場の日付は日本時間ではなく、
アメリカ時間が起点となることを覚えておきましょう。
取引量
国際決済銀行(BIS)が3年ごとには発表している外国為替市場全体の1日の
平均取引量は約508兆円(1ドル=100円の場合)です。
そのうちドル円が約90兆円と17.72%のシェアを占めています。(2016年)
過去のシェア率も14.28%(2010年)、18.30%(2013年)と2割弱を占めています。
これはユーロドルの次に多い2番目のシェア率となっています。
取引量が多いということは安定的な相場で、急な乱高下が少ないと言えます。
ドル円が初心者におすすめとされる理由
世界の基軸通貨であるドルの値動きを見ることが、為替を理解する
最も有効な方法であると言われています。またスプレッドが狭いということも
おすすめされる大きな理由の1つです。
以上が初心者におすすめの通貨ペアとしてドル円が押される
一般的な理由になります。
私がおススメするのもドル円です。
しかし、上記の理由では説明不足であると感じます。
最も大事なことが抜けているからです。
それは「持ち高」と「テクニカルが効く」ということです。
① 『持ち高』とは
持ち高とは世界中のトレーダーが所持している
買いポジションと売りポジションの総量のことをいいます。現在レートというのは
買いポジションと売りポジションが綱引きしていると想像してください。
市場参加者の「持ち高」が多い(人気がある)ということは、ちょっとした仕掛けが
あっても総量に対しての比率が小さいため、大きな影響がなくレートがそんなに動くことがありません。
初心者トレーダーは乱高下する相場で上手に利益を出すのは難しいという理由として、
持ち高が多いドル円がおすすめということになります。
② 『テクニカルが効く』とは
持ち高と通ずる理由になるのですが、ポジション量が多い通貨ペアというのは、
市場の合意を得た適正レートに落ち着く傾向にあります。テクニカルツールは
買われすぎと売られすぎを指し示すものですが、
市場参加者の多くが同じレートを示すチャートを見ているわけですから買われすぎ
売られすぎは同じ感覚で捉えて同じような売買タイミングになる傾向にあります。
トレンド系のテクニカルツールで多くのトレーダーが使用している
MA(ムービングアベレージ)はパラメーターによっても違いますが、
トレンドが出始めると押し目買い・戻り売りの基準となり、
MAラインタッチで跳ね返る傾向があります。
オシレーター系のテクニカルツールで多くのトレーダーが使用しているRSIパラメーターに
よっても違いますが、買われすぎ・売られすぎを示すラインで反転する傾向があります。
さらにFXは、ドル/円や、ユーロ/ドルといった通貨対通貨の強弱をレートに表されているもので、
通貨ごとの強弱を見極められればより精度の高い相場判断ができます。
通貨のごとの強弱
FXは、値動きが相関(または逆相関)になっているかを見て、
そのときにどの通貨が強いのかを判断することができます。
例:ドルが強いと判断できる状況
ドルの強弱状況を判断する場合は、ドルストレートの通貨ペアをできるだけ多くチェックしましょう。
(※ドルストレートとは・・・ドル円、ユーロドル、オージードル、
ポンドドルといった米ドルが絡む通貨ペアのことです)
ドルが強い(買われている)場合、ドル円レートは上昇しますが、
ドル円単体ですと円が売られている状態でもドル円は上昇します。
ドルが買われている場合と円が売られている場合、2つのどちらの状態でもドル円は上昇するのです。
どちらの要因で上昇しているのか判断ミスを防ぐために複数のドルストレートを見ます。
- ドル円が上昇
- ユーロドルが下落
- オージードルが下落
- ポンドドルが下落
上記の状態だとドルが買われていると判断できます。
ドルストレートの中でも取引量の多い上記の主要通貨ペア4つ
(簡単にいうと多くのお金が流通している通貨ペア)はチェックするようにしましょう。
まとめ
ドル円の市場等について解説をしました。
FX業者の口座を持ってさえいれば、その業者が扱っている通貨ペアを
全てトレードすることができます。しかし、多くの通貨ペアを扱えるというのは
メリットかもしれませんが、FX初心者のうちから特性を知らずにあっちこっちの通貨ペアに
手を出すのはリスクが高く、無謀といえるでしょう。
初心者の方は「ドル円」からはじめるといいと思います。
参考にしてみて下さい。
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